不倫相手の奥さんから慰謝料請求|無視したときのリスクや対応方法
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山形県が公表している人口動態統計によると、令和5年には1223組の夫婦が離婚しました。
離婚の原因として挙げられることが多いのが性格の不一致やDV、そして「不倫」です。配偶者の不倫が原因で離婚に至る際、配偶者だけではなく不倫相手にも慰謝料請求をする方もいます。あるいは離婚をせず、不倫相手にだけ慰謝料を請求するといったケースもあるでしょう。
もし、あなたが既婚者と不倫をしていたことが不倫相手の奥さんにバレてしまい、慰謝料請求をされたというときは、決してその請求を無視してはいけません。なぜ無視してはいけないのでしょうか? 慰謝料請求を無視するリスクや、適切な対処法についてベリーベスト法律事務所 鶴岡オフィスの弁護士が解説していきます。


1、不倫相手の奥さんから慰謝料請求がきたときに無視するリスク
不倫相手の奥さんから慰謝料請求がきた場合、どうすればいいか分からず放置してしまう方もいるでしょう。
しかし慰謝料請求を無視するリスクは小さくありません。以下、その理由についてみていきましょう。
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(1)慰謝料の請求金額が増額される可能性がある
不倫慰謝料請求の金額には相場がありますが、法律で具体的な金額が決まっているわけではありません。そのため、請求される慰謝料額は不倫相手の奥さんへの心証次第で増額される可能性があります。
真摯に謝罪をしながら対応した場合と比べると、慰謝料請求を無視した場合は不誠実な対応として不倫相手の奥さんの心証がさらに悪くなり、最初の請求金額よりも増額されてしまうおそれがあるのです。 -
(2)裁判になる可能性がある
たとえば内容証明郵便による慰謝料請求を無視すると、次は弁護士からの連絡が来ます。その連絡も無視すると、最終的に裁判を起こされる可能性が高いでしょう。
そうなれば、話し合いでの解決と比べて時間も費用も労力もかかります。
そのほかにも、無視されたことに腹を立てた不倫相手の奥さんが会社や家に乗り込んできて周囲に知られてしまう、といった可能性もありますので、慰謝料請求は絶対に無視してはいけません。
2、不倫相手の奥さんから慰謝料請求された場合の対応方法
不倫相手の奥さんから慰謝料請求された場合の5つの対処法をご紹介していきます。
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(1)無視せず相手の感情を逆なでしない
先ほど解説したとおり、慰謝料請求を無視すると相手の感情を逆なでして慰謝料額が増額される可能性や、会社などに乗り込まれて周囲に不倫がバレてしまう可能性もあります。まずは弁護士に相談するなど、早めの対応をするようにしましょう。
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(2)請求内容を確認する
慰謝料を請求されたら、まずは不倫相手の奥さんからの請求内容を確認します。慰謝料請求は電話や対面、内容証明郵便といった方法が考えられます。
内容証明郵便で請求された場合は、まずは以下を確認しましょう。- 事実ではないことが書かれていないかどうか
- 慰謝料の請求金額は妥当かどうか
また、慰謝料の他にも「謝罪」や「引っ越し」、不倫相手と同じ会社勤めの場合「退職」を求められる場合もあります。
そのため、慰謝料の金額だけでなく、相手が何を求めているのか確認することも大切です。 -
(3)請求内容のとおりにすぐに行動しない
必ずしも要求すべてを飲む必要はありません。
相手の請求内容のとおりに行動すると、相場より高額な慰謝料を支払ってしまって損をすることになってしまいます。
なかにはそもそも支払う必要がないケース、もしくは減額できる可能性があるケースもありますので、相手の請求内容のとおりに行動することはやめておきましょう。 -
(4)事実ではないことは認めない
事実ではないことを認めてしまうと、自分に不利な内容で合意してしまうおそれがあります。
たとえば、不倫相手の奥さんの勢いに押されて実際の肉体関係を結んだ回数よりも多く認めてしまった場合は、慰謝料金額が本来の相場よりも高くなってしまう可能性が高いのです。
したがって、事実とは異なることについてはしっかりと否定して認めない、ということが大切になります。 -
(5)弁護士に相談する
不倫相手の奥さんから慰謝料請求をされた場合は、男女問題の解決実績が豊富な弁護士に相談することがおすすめです。弁護士に相談することでさまざまなメリットが得られます。4章に詳しく説明いたします。
特に慰謝料請求の交渉は、弁護士のサポートが重要です。弁護士に相談しない場合は、冷静にご自身で減額交渉などをする必要があるでしょう。
お問い合わせください。
3、慰謝料の支払い義務や金額を左右する要素
不倫慰謝料の金額の相場は、離婚の有無によっても異なります。離婚する場合は100〜300万円程度、離婚しない場合は50〜100万円程度が相場です。
この金額はあくまでも相場であり、相場よりも高額になるケースもあれば減額になるケースもあるほか、慰謝料の支払い義務自体がないというケースもあります。
慰謝料の支払い義務や金額を左右する要素にはどのようなものがあるのか、みていきましょう。
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(1)慰謝料の金額を左右する要素
以下の要素が、慰謝料の金額を左右します。
- 婚姻期間
- 未成熟の子どもの有無
- 不倫の回数や期間
- 不倫の経緯
- 不倫相手への経済的支援の有無
- 不倫相手との間の子どもの有無
- 謝罪の有無
- 離婚するか否か
これらの要素をもとにケースに応じて金額が増減することになるのです。
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(2)高額になり得るケース
要素をもとに、高額になり得るのは以下のケースになります。
- 婚姻期間が長い
- 相手夫婦に未成熟の子どもがいる
- 不倫の回数が多いまたは期間が長期
- 自分が積極的に誘って不倫が始まった
- 相手から経済的支援を受けている
- 相手との間に子どもができた
- 奥さんに謝罪をしていない
- 相手夫婦が離婚した
これらのケースでは慰謝料が高額になる可能性が高いでしょう。
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(3)支払う必要がないもしくは減額できる可能性があるケース
そもそも、慰謝料支払い義務が発生するのは以下の要件を満たした場合です。
- 肉体関係がある
- 故意または過失がある
- 不倫をする前は夫婦関係が破綻していなかった
- 慰謝料請求時効が成立していない
逆にいえば、これらの要件を満たしていない場合は慰謝料を支払う必要がありません。慰謝料を支払う必要がない具体的なケースは以下のケースです。
- 不倫相手と肉体関係がなかった
- 既婚者だと認知していなかった
- 不倫をする前から夫婦関係が破綻していた
- 慰謝料請求権が時効により消滅している
- 無理やり肉体関係をもたされた
また、以下のケースでは慰謝料を減額できる可能性があります。
- 婚姻期間が短い
- 相手夫婦に未成熟の子どもがいない
- 不倫の回数が少ないまたは期間が短い
- 相手が積極的に誘ってきて不倫が始まった
- 相手から経済的支援を受けていない
- 相手との間に子どもがいない
- 真摯に謝罪をした
- 相手夫婦は離婚しない
- すでに奥さんが夫から慰謝料を受け取っている
- 証拠が不十分である
ただし、支払いの拒否や減額交渉をする際には、事実を裏付ける証拠が重要となります。
「何からすればいいのか分からない……」という方は、弁護士に、証拠収集のサポートや何が有効な証拠となりうるかのアドバイスを求めましょう。
お問い合わせください。
4、不倫トラブルのお困りごとを弁護士に相談する3つのメリット
弁護士に相談すれば、主に以下の3つのメリットがあります。
請求の妥当性は、ケースによって異なります。複数の要素を考慮し、相場より多いのか少ないのか判断するのは個人では難しいでしょう。
・メリット2│相手との交渉を任せられる
不倫相手の奥さんとの話し合いを冷静に進めるのは難しいことです。話し合いが円滑に進まず、勢いに押され不利な条件で合意してしまう可能性があります。弁護士に交渉の代理を任せることで話し合いが進み、適正な金額での合意や、スムーズな解決が期待できます。
・メリット3│精神的負担を軽減できる
当事者同士での話し合いは感情的になりやすく精神的に負担がかかります。また、交渉が決裂すれば裁判を起こされ、その手続きでも非常に大きな負担がかかるでしょう。弁護士に依頼すれば裁判手続きも一任でき、精神的な負担と併せて時間の負担も軽減できます。
どう対応すればよいのかわからず悩んでいる間に返答期限が過ぎ、慰謝料の請求額が上がってしまうケースもあります。お困りの際には、早めに弁護士にご相談ください。
お問い合わせください。
5、まとめ
不倫相手の奥さんから慰謝料請求された場合は、無視せず適切に対処することが重要です。
ケースによっては慰謝料請求を減額または拒否できる可能性もあります。不利な内容で合意しないためにも相手の請求内容を受け入れる前に、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
ベリーベスト法律事務所 鶴岡オフィスには、男女トラブルの解決実績がある弁護士が在籍しています。おひとりで悩まず、まずはお気軽にご相談ください。
- この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
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