裁判和解により会社から金950万円を獲得!

  • CASE711
  • 2022年02月25日更新
製造職
岡山県
男性
30代
後遺障害等級:12級12号
傷病名:右肘頭骨折、右上腕小頭骨折
労災支給額:747万6284円
会社からの賠償額:950万円
総額:1697万6284円

業務内容

鉄くずをスクラップにして捨てる作業

災害の状況

Aさんが会社軽トラックの荷台から、鉄くずをスクラップ置き場に移す作業をしていたところ、会社トラックの荷台の側面ゲートの金具が外れたことによりトラックの荷台から落下し、Aさんは右肘頭と右橈骨頭を骨折してしまいました。

相談内容

Aさんには、本件労災事故のケガによって「右肘関節に常時痛みがある」という後遺障害が残ってしまい、12級12号との認定を受けました。
Aさんは、会社トラックの整備不良により後遺障害が残るようなケガを負ってしまい、以前と同じ仕事を続けることができず、会社を退職せざるを得ませんでした。
そこで、Aさんは、会社に対する責任を問えないかと考え、ベリーベスト法律事務所に相談されました。

ベリーベストの対応とその結果

まず、今回のAさんの労働災害について、会社に対して責任を問えるのか検討しました。すなわち、法的に言えば、使用者責任や安全配慮義務違反を問えるのかということです。
その結果、会社トラックの荷台の側面ゲートの金具に不具合があったが、会社は特に修理等をしていなかったことから、安全配慮義務違反が認められると考え、会社に対して損害賠償請求をすることとしました。

Aさんは後遺障害等級12級12号が認定されましたが、労災保険から支給されていた休業補償給付や障害補償給付とは別に、会社に対して約1500万円を請求しました。
この点、労働局が作成した労災の報告書には、Aさんがトラックの荷台から飛び降りたという内容が記載されていました。
しかし、Aさんは実際にはトラックの荷台から飛び降りておらず、Aさんは労災の報告書の作成には関与していませんでした。
会社からは、労災の報告書の記載を前提に、事故が発生したのは、Aさんが会社トラックの荷台から飛び降りようとしたからであり、Aさんの過失は極めて大きいとして、Aさんに7割の過失があるとの主張がなされました。
会社の主張との隔たりが大きいことから、交渉での解決は困難であり、訴訟提起に踏み切ることとしました。

訴訟中、過失が大きな争いとなりました。
当方は、労災の報告書はAさんの関与なく作成されたものであり、事故状況が全く異なると主張しました。
会社で再現写真を撮るなど当時の事故状況を再現し、Aさんの言い分が真実であると主張しました。
その結果、会社側に主な過失があり、Aさんにはわずかな過失しかないことを前提に、裁判所を通じた和解が成立し、結果として解決金950万円を獲得することができました。

労災の損害賠償請求の場合、会社から労働者の過失を主張されることがあります。
労災の報告書の記載は事故状況を把握するための重要な資料になりますが、必ずしも真実が記載されているとは限りません。
会社に安全配所義務違反を問うため関係資料の分析が必要になります。まずはベリーベスト法律事務所に相談してみて下さい。

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