加害者から被害者に立場を逆転させて、外貌醜状を考慮した示談金を獲得した事例

  • CASE705
  • 2022年01月02日更新
男性
  • 20代
  • 男性
  • 学生
  • 後遺障害
  • 示談交渉
  • ■後遺障害等級9級16号
  • ■傷病名顔面挫創、左肩甲骨挫傷、両下腿挫創、両下腿挫傷、左大腿挫傷
  • 保険会社提示額0円
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  • 最終示談金額1171万9174円

ご相談に至った経緯

Nさんがバイクに乗って片側二車線の道路の第二車線を走行していたところ、相手方の自動車が第二車線で停車していることに気づくのが遅れ、そのまま相手方車両の後方部に衝突したとのことでした。その結果、Nさんは、顔面挫創、左肩甲骨挫傷、両下腿挫創、両下腿挫傷、左大腿挫傷等の怪我を負ってしましました。

ご相談内容

相手方保険会社は、本件事故は追突事故の事例であり、追突車両を運転していたNさんの過失の方が圧倒的に大きいと主張し、治療費の対応等を一切しませんでした。Nさんは、後遺障害の申請について分からないことが多く、また、相手方保険会社が主張する過失割合が正当なのかどうか知りたいと考え、当事務所にご相談されました。

ベリーベストの対応とその結果

Nさんの身体の痛みについては無事に回復しましたが、本件事故によって右頬に5㎝以上の線状痕が残ったことから、後遺障害の申請のお手伝いから開始しました。

後遺障害の申請をしたところ、外貌醜状により別表第二第9級16号の後遺障害が認定されましたが、Nさんが相手に追突した事故であるとして、Nさんに8割以上9割未満の過失があると判断され、重過失減額として自賠責保険金が30%減額されてしまいました。
そこで、過失割合について詳細な検討をするため、相手方車両の事故当時のドライブレコーダーを入手し、それを確認したところ、本件事故が単純な追突事故の事例ではないことが判明しました。

すなわち、相手方車両は事故直前に第二車線を走行していたわけではなく、ずっと第一車線を走行しており、路外の駐車場に入るため第一車線に停止した上、第二車線に車両前方を振ったところ、その直後に第二車線を走行中のNさんのバイクが衝突していたことが分かりました。したがって、客観的な事故状況から見れば、Nさんが追突したという事故ではなく、相手方車両の車線変更に準じるべき場合であって、多くともNさんの過失が20%であると考えられました。

そこで、むしろNさんが被害者であると主張し、ドライブレコーダーの映像と類似の裁判例を資料として添付した上で、異議申立てを行いました。その結果、異議申立てが認められ、Nさんに重過失があるとの判断が撤回されて、自賠責保険金が満額支給されました。この結果を踏まえて、Nさんがむしろ被害者であると主張して、相手方保険会社との示談交渉を開始しました。

しかし、後遺障害が外貌醜状だけでしたので「男性の顔に傷があったとしても仕事に支障はない」として労働能力喪失がないと主張され、逸失利益も争点になりました。
相手方保険会社は、当初、相手方の重過失を認めず、逸失利益も認めませんでしたが、粘り強く交渉したところ、最終的には、Nさんがむしろ被害者であること、就労の機会の喪失等から逸失利益が発生していることを認めさせることに成功し、最終的には自賠責保険金を含め、約1171万円で解決することができました。

Nさんからは「事故当初は、相手方保険会社からの説明を受けて、自身が加害者なのだだと思い込んでいたので、少しでも貰える金額があればそれでいいと思っていましたが、被害者の立場に逆転させてくれ、その上で多くの示談金を獲得していただけたので感謝しています」とおっしゃっていただけました。

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