医師と連携して特殊なせき柱変形にアプローチ、後遺障害等級8級が認定された事例

  • CASE12
  • 2017年01月23日更新
男性
  • 男性
  • 後遺障害
  • ■後遺障害等級8級
  • ■傷病名第5腰椎破裂骨折

ご相談に至った経緯

被害者(60代男性)は、自転車に乗り交差点を右折しようとしていた際、対向車が右にウインカーを点灯させていたため、右折を開始したところ、対向車は右折せずに直進してきたため、衝突。 この事故により、被害者は、第5腰椎破裂骨折の重傷を負った。被害者は椎体骨折による疼痛だけでなく、可動域角度にも影響が生じていた。

ご相談内容

保険会社の担当者は、症状固定前から、被害者に対し、「損害賠償として240万円くらいは払えると思いますよ」などと言っていた。保険会社の担当者が変わったためか、保険会社からの連絡が来なくなるなどし、今後のことに不安を感じ、弊所に相談に来た。

ベリーベストの対応とその結果

解決までの道のり

被害者の椎体は、M字型に中央部がもっとも潰れている形態の骨折であった。
脊椎の骨折の場合、後遺障害の等級は、椎体の前方の高さと椎体の後方の高さの比率(圧潰率)の大小によって決定される。
この被害者の場合、単純に前方椎体高と後方椎体高の比率からすると、11級に相当する圧潰の程度であった。
しかし、最も椎体が潰れている中央部の椎体高と後方椎体高の比率だと、8級に相当する程度となっていた。
そこで、後遺障害の申請にあたって、被害者の椎体の状態を正確に把握し、後遺障害診断書に記載してもらうことが重要であると考えた。

申請経緯、認定理由等

後遺障害の診断書を記載いただくにあたり、医師と面談をし、椎体高を正確に計測すること、および、前方椎体高と後方椎体高を比較した圧潰率だけでなく、中央部の最も潰れている部分の椎体高と後方椎体高と比較した圧潰率を後遺障害診断書に記載することを依頼した。
また、後遺障害の被害者請求に際し、椎体中央部の圧潰の程度がひどいこと、および、可動域角度への影響が、医学的観点から椎体の圧潰と整合していることを説明する文書を作成し提出した。
結果、「せき柱に中程度の変形を残すもの」として、後遺障害8級の認定を受けることができた。

示談交渉のポイント

被害者は、事故当時、すでに定年退職し、無職であった。
しかし、社会活動等をしていたことなどを根拠に、就労の意欲や能力があったものと主張し、賃金センサスを用いた逸失利益の請求が認められた。

解決のポイント

本件は、 11級の認定にとどまる可能性がある事案であった。しかし、医師に対して、骨折した椎体の状態を正確に診断書に記載するよう働きかけたこと、また、自賠責調査事務所に対して、被害者の症状が8級に相当する状態であることを伝えたことが、8級の認定を受けるに至ったポイントであったと考えられる。

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